UML図

ユースケース図の書き方を解説【テンプレート付き】

事例に合わせてユースケース図の要素、記述方法、書く時の手順を解説
edraw編集者
編集者: Edraw
ポイント
  • ユースケース図は、アクターとシステムとの相互作用を表し、システムの機能や要件を可視化するUML図です。
  • ユースケース図の作成は、主に以下の3つのステップで進めます。
    • ① アクター(人)とシステムの境界を明確にする
    • ② ユースケース(システムの機能)を洗い出す
    • ③ アクターとユースケースを線で結ぶ

この記事では、ユースケース図の書き方を中心に、ユースケース図の要素と記述方法を紹介します。クリックすれば編集可能なユースケース図のテンプレートも配布しますので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。

1.ユースケース図とは?役割、要素と記述方法を紹介

ユースケース図とは、システムのユーザー(アクター)とそのシステムとの相互作用を視覚化するために使用される図表です。主にUML(統一モデリング言語)で表現され、システムが人や他のシステムとどのように関わるかを示します。

ユースケース図 図書館

ユースケース図のメリットと言えば、システムの要件を明確にし、開発チームや利害関係者との共通理解を促進することができます。さらに、要件の曖昧さを減らし、変更時のリスク管理にも役立つため、システム開発の効率を高めることができます。

ユースケース図が使われる場面としては、

  • 新しいシステムの設計
  • 既存システムの改善
  • プロジェクトの初期段階での要件定義

などがあります。

ユースケース図を描くためには、まずその主要な要素を知ることが重要です。主な要素には、アクターとユースケースがあります。

要素 定義
アクター アクターはシステムと相互作用する人物、組織、または外部システムを指します。アクターはシステム外部の存在であり、システムに対する要求や操作を行います。アクターは通常、人間のアイコンや役割名で表現されます。
ユースケース ユースケースは、アクターがシステムと相互作用して達成する特定の目的や機能を示すものです。ユースケースはラベル付きの楕円形で表現され、具体的な名前が付けられます。たとえば、「注文を作成する」や「レポートを生成する」などがユースケースになります。
関係性を示す線 ユースケース図では、アクターとユースケースの間に線を引いて関係性を示します。これにより、どのアクターがどのユースケースに関与するかを明確にすることができます。また、ユースケース間での関係性(例えば、「include」や「extend」)も示すことができます。

これにより、多層的なシステムの動作を視覚的に理解しやすくなります。

記述方法としては、まずアクターを特定し、それからユースケースを洗い出します。次に、アクターとユースケースの関係性を図示し、必要に応じて追加情報を記入します。そうすると、ユースケース間の関係性も整理すると、より詳細な相互作用モデルが作成できます

2.ユースケース図を書く時の手順

ここから具体的なユースケース図の書き方を分かりやすく解説します。以下の手順に従ってユースケース図を作成することで、そのプロセスが整理され、明確になります。具体的な例として、図書館のユースケース図を書いてみましょう。利用者が検索、借りること、返すことを行うシステムとします。

Step 1:システム境界の定義

システム境界の定義

まず、システムの範囲を明確にします。システムがどこからどこまでをカバーするのかを決定し、図の中にシステム境界を描きます。これにより、システムと外部環境とのインターフェースが明確になります。

Step 2:アクターの洗い出し

アクターの洗い出し

次に、システムと相互作用するすべてのユーザー又は外部システム(アクター)を特定します。アクターには、人間のユーザーだけでなく、外部のシステムや組織も含まれます。図書館システムの主要なアクターは「利用者」「図書館員」の2つとします。

Step 3:ユースケースの特定

ユースケースの特定

システムが提供するすべての機能、すなわちユースケースを洗い出します。ユースケースはシステムがアクターに対してどのようなサービスを提供するかを示します。

図書館システムが提供するユースケースとして、「本を検索」「本を借りる」「本を返す」「損害賠償」「登録」があります。

Step 4:アクターとユースケースの関連付け

アクターとユースケースの関連付け

アクターとユースケースを線でつないで、どのアクターがどのユースケースを使用するのかを明確にします。これにより、システム内の相互作用が視覚的に理解できます。

「利用者」は「本を検索」「本を借りる」「本を返す」に関連し、「図書館員」は「本を整理する」と「貸出管理」に関連します。

Step 5:ユースケース間の関係を追加

ユースケース間の関係を追加

ユースケース間の関係性は四つあります。これによって、ユースケース同士の関連性や依存関係が明確になります。

関係性の種類 定義と表記法 / 例
関連 アクターとユースケースを繋ぐ直線
汎化 要素同士がイコール関係であることを示す矢印
包含 【定義】メインのユースケースを実行するために、必ず実行しなければならないステップ。繋ぎ線の上に と示す
【例】「本を借りる」を実行するために、「本人確認(ログイン)」が必要です
拡張 【定義】基本のフローにおいて、特定の条件を満たした時だけ実行される追加機能。繋ぎ線の上に と示す
【例】通常の返却では「本を返す」だけで完了しますが、「返却期限を過ぎている」という特定の条件が発生した時のみ、「延滞金の支払い」という追加のフローが実行されます。

3.ユースケース図のテンプレート3選

ユースケース図を簡単に作成したいとき、利用可能なテンプレートは非常に便利です。ここでは、「EdrawMax」で利用可能なユースケース図のテンプレートを3つ紹介します。

 3.1基本ユースケース図

基本ユースケース図

(画像をクリックして編集することが可能です)

このテンプレートは基本的なユースケース図を作成するのに適しています。システム境界、アクター、主なユースケース、ならびにそれらの間の関係を簡単に示すことができます。エントリーレベルでユースケース図を学ぶための良い出発点です。

3.2 拡張ユースケース図

拡張ユースケース図

もう一つのテンプレートは、包括関係や拡張関係を含む詳細なユースケース図です。これにより、複雑なシステムでのユースケース間の依存関係や関係性を視覚化することができます。プロジェクトが進行し、要件が増えるときにも対応可能です。

3.3ビジネスユースケース図

ビジネスユースケース図

(画像をクリックして編集することが可能です)

ビジネスプロセスを視覚的に表現するのに特化したテンプレートです。企業や組織のビジネスプロセスのユースケースを詳細に示すことができ、利害関係者とのコミュニケーションをスムーズにします。特に、プロジェクトマネージャーやビジネスアナリストにおすすめです。

これらのテンプレートはすべて「EdrawMax」で簡単にダウンロードして利用することができます。EdrawMaxは多機能でありながら使い方が簡単なため、初心者からプロフェッショナルまで幅広く利用されています。EdrawMaxを活用することで、ユースケース図の作成がさらに効率的になります。

ユースケース図の作り方を分かりやすく解説する際、テンプレートを使用することで一層効率的に学べる方法があります。特に「EdrawMax」というソフトを利用すると、豊富なユースケース図のテンプレートが手に入ります。「EdrawMax」内で「use case」と検索すると、すぐに目的のテンプレートが見つかりますので非常に便利です。

  • 豊富なテンプレートと素材
  • AIユースケース図自動作成(Nano Banana)
  • ワンクリックでスタイル変更
  • 図形のレイアウト調整

4.ユースケース図の書き方に関するFAQ

Q1:ユースケースの特定において、粒度はどのように決めるべきですか?

A: 「海抜0メートル(Sea Level)」、つまりユーザーが1回の操作で目的を達成できる単位を基準にします。例えば「ログイン」や「バーコード入力」は細かすぎるため、「本を借りる」というユーザー価値を生む粒度にまとめるのが最適です。

Q2:ユースケースが多すぎて図が複雑になった場合、どう対処すればよいですか?

A: パッケージ(サブシステム)化を行って図を分割してください。「利用者向け」「管理者向け」「蔵書管理」などのカテゴリごとに図を分けることで、視認性が向上します。また、本質的でない小さな機能はユースケース記述(詳細文)に含め、図からは省略します。

Q3:良いユースケース図の検収準はありますか?

A: 以下の3点が基準となります。

1. シンプルさ: 矢印が交差せず、一目でシステムの範囲(境界)がわかること。

2. 網羅性: 全てのアクターが漏れなく定義され、主要な要求がカバーされていること。

3. 正確性: include(必須)と extend(条件付き)が混同されず、正しく使い分けられていること。

関連記事