この記事では、プロジェクト体制図を作成する具体的なメリットや記入するべき役割、いい例と悪い例、プロジェクト体制図の具体的な作成手順についてご紹介します。プロジェクト体制図を作成して、ビジネスの流れを加速したい方は参考にしてみてください。プロジェクト体制図を最大限に活用して、プロジェクトの効率性を改善しましょう。
1.プロジェクト体制図とは?そのメリットは?
プロジェクト体制図とは、ビジネスにおいて特定のプロジェクトを遂行するために編成されたチームの構造と、各メンバーの役割や指揮系統を視覚的に示した図です。各メンバー間のコミュニケーションを円滑に進め、プロジェクトの成功確率を高めることに貢献します。
この組織図は、IT、建設、コンサルティング、製造業など、複数の部門から専門スキルを持つ人材が集結するプロジェクト型の業務が多い業界でよく活用されています。
プロジェクト体制図と一般的な組織図の違いは、以下のようなポイントです。
プロジェクト組織図 |
一般的な組織図 |
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プロジェクト組織図の主なメリットは、関係者全員が責任の所在と意思決定のプロセスを明確に理解できる点にあります。これにより、コミュニケーションが円滑になり、タスクの重複や漏れを防ぎ、プロジェクト全体の生産性向上につながります。問題発生時も、誰に報告し、誰が対応するかがぱっと見でわかるため、スピーディな問題解決が可能です。
2.プロジェクト体制図に記入する役割一覧
プロジェクト体制図には、プロジェクトを推進していくうえで必要不可欠なメンバーを組み込む必要があります。プロジェクトの規模や種類によってもプロジェクト体制図に記入する役割は異なりますが、一般的には以下のような役割を記入することになるでしょう。
主な役職 |
特徴 |
プロジェクトオーナー(最高責任者) |
・最終的な意思決定を行う人 ・プロジェクトの目標・ゴールを設定 ・全体の進行を監督する |
プロジェクトマネージャー(現場責任者) |
・プロジェクトのスケジュール立案 ・進捗管理・問題解決をはかる ・チームメンバー間の調整 |
プロジェクトリーダー (特定分野の現場リーダー) |
・特定チームをまとめるリーダー ・専門的な技術指導や教育 ・小チームのタスク管理 |
チームメンバー(現場作業者) |
・プロジェクトごとに配属されるスタッフ ・姓名や担当する業務などが明記される |
最高責任者・現場責任者からプロジェクトリーダー、そしてチームメンバーという指揮系統の体制図が完成します。プロジェクトの取引先などの利害関係者が入る場合もあります。
3.プロジェクト体制図のいい例と悪い例
いいプロジェクト体制図は、誰がプロジェクトに参加していて、誰が何に責任を持ち、誰に報告・相談すればよいかが視覚的に即座に理解できるのが特徴です。
【良い例のポイント】
- 役割と氏名が明記されている:具体的な氏名が記載されている
- 報告・命令系統が明確: 誰が誰に報告するのかがはっきりしている
- シンプルで整理されている:無駄が極力省かれ、きれいに整列していて見やすい
- 関連部署や顧客が示されている: 利害関係者との関係性も明示されている
その一方で、悪いプロジェクト体制図も存在します。以下のポイントが挙げられます。
【悪い例のポイント】
- 役割が曖昧:「担当者」としか書かれておらず、具体的な役割が不明
- 指揮命令系統が不明瞭:誰がリーダーで、誰に報告すればよいのかわからない
- 情報不足または過剰:必要な記載がない。逆に関係のない情報まで詰め込み
- デザインが見にくい:ボックスの大きさや配置がバラバラで、整理されていない
このように、プロジェクト体制図の作成方法によっては、かえってプロジェクト進行の妨げになることも。見やすくわかりやすいプロジェクト体制図の作成を心がけましょう。
4.プロジェクト体制図の作成手順
プロジェクト体制図を作成する際は、4つのステップに沿って作成するのがおすすめです。
- 情報を整理する
- 構造を決める
- 情報を記入する
- カスタマイズする
ここでは、企業向けの保守システム開発のプロジェクトを例に作成手順を見てみましょう。なお、以下に紹介する画像には線画ツールのEdrawMaxを使用しています。
Step1 情報を整理する
まずはプロジェクト作成の目的を明確化します。それをもとに、保守システムの開発に向けてどのような人材や組織構造、コミュニケーションが必要になるのかを考えていきます。
Step2 構造を決める
次に、プロジェクト体制図に使用する線画ツールの構造・テンプレートを決定します。同じ組織図を選んでも、テンプレートによってまったく異なる仕上がりになるのが特徴です。
Step3 情報を記入する
Step1でまとめた情報をプロジェクト体制図に入力していきます。ただ、これだけでは単調で味気のないデザインになってしまっているので、次のステップでカスタマイズします。
Step4 カスタマイズする
このように、枠線やブロック内の色やデザインを変えることで、より視覚的にわかりやすくできます。プロジェクト体制図をはじめて見た時の印象を良くすることが可能です。
5.プロジェクト体制図作成ツールEdrawMax
EdrawMaxで組織図を作成する最大の魅力は、豊富なテンプレート、入力したデータからの自動作成機能、そして多彩な共有・エクスポートのオプションにあります。
また、デザイン性の高いテンプレートが多数用意されているため、一からプロジェクト体制図を作成する手間が省け、誰でも簡単に見栄えの良い組織図を作成可能です。
次に、Excelなどのデータファイルをインポートするだけで、複雑な組織図も自動で生成可能です。これにより、手作業によるケアレスミスを防ぎ、大幅な時間短縮が実現します。
完成したプロジェクト体制図は、PDFやOfficeファイル、画像など様々な形式でエクスポートでき、社内共有や資料への添付もスムーズです。これらの機能により、EdrawMaxは組織図作成の効率と質を飛躍的に向上させるツールだと言えるでしょう
6.プロジェクト体制図に関してよくある質問
プロジェクト体制図に関しては、以下のような質問がよく挙げられます。
- プロジェクト体制図におけるPMOの位置付けは?
- プロジェクト体制図を作成すべきタイミングは?
ここでは、それぞれの質問に対する答えを見ていきましょう。
プロジェクト体制図におけるPMOの位置付けは?
営業・管理職として複数のプロジェクトを成功に導く上で、PMOは強力な味方です。
体制図上では、単なる管理者ではなく参謀役を担います。プロジェクト間のリソース調整、進捗の可視化、課題解決の支援を通じて、ビジネスにおける的確な意思決定をサポートし、現場の負担を軽減し、チーム全体の目標達成を加速させる存在です。
プロジェクト体制図を作成すべきタイミングは?
プロジェクト体制図は、新しいプロジェクトの立ち上げ・構想段階で作成するのが理想的です。体制図を早期に確定させることで、関係者の役割と責任範囲が明確になり、スムーズなスタートを切れるでしょう。誰に何を相談・報告すればいいのかが一目でわかるため、無駄なコミュニケーションをへらし、スピーディな意思決定を促進します。特に、複数の部署が関わる複雑なプロジェクトでは、初期の混乱を避けるために不可欠なプロセスです。