PlantUMLは、UML図だけでなくガントチャートも簡単に作成できる強力なツールで、コードベースでの図作成を可能にします。
本記事では、PlantUMLを使ったガントチャートの基本的な書き方や、週単位・月単位の表示、タスクバーの色分けなどのカスタマイズ方法について、わかりやすく解説します。 初心者でもすぐに実践できるサンプルコードも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. PlantUMLでガントチャートを描くための準備
1.1 PlantUMLのガントチャート構文を理解する
PlantUMLでは、以下のような構文を使ってガントチャートを構築します。
要素 | サンプル構文 | 説明 |
---|---|---|
タスク定義 | [開発開始] lasts 5 days | タスクの期間を定義 |
開始日 | starts on 2025-08-01 | タスクの開始日を指定 |
依存関係 | [UI設計] --> [実装] | タスクの前後関係を表現 |
マイルストーン | [リリース] is milestone | 節目となるイベントを指定 |
時間単位 | scale monthly | 月単位でスケールを調整 |
スタイル設定 | skinparam ganttTaskBackgroundColor #FFCCCC | 色・フォント等の調整 |
公式ドキュメントは以下の通りです:
https://plantuml.com/ja-dark/gantt-diagram
ドキュメントは長文ですが、重要な部分を選んで学習することができます。 または、ドキュメントのリンクをGeminiやChatGPTなどのAIツールに送信し、AIに関連する構文を学習させることも可能です。 その場合、描画したいガントチャートの内容やスタイルを言葉で説明するだけで十分です。
1.2 PlantUMLを使うためのエディタ環境を整える
PlantUMLは以下のようなエディタで利用できます:
- Webエディタ(PlantUML Live):ブラウザ上で手軽に利用可能
- VSCode:本格的な編集やGit連携、バージョン管理に最適
ここでは、VSCodeでPlantUMLのコードを正しく表示させる方法を紹介します。
PlantUMLをVSCodeで使うには、基本的にJavaの実行環境が必要です。次は左側の拡張機能アイコンをクリック して、
検索欄に 「PlantUML」 と入力してインストールします。
プラグインの設定ですが、`Ctrl + Shift + P` を押し、`Preferences: Open User Settings (JSON)` を選択します。
以下を追加して保存:
```json
{
"plantuml.render": "PlantUMLServer",
"plantuml.server": "https://www.plantuml.com/plantuml"
}
2. 実際の業務をもとにガントチャートを描いてみる
ある開発プロジェクトを例として説明します。
Step1. 情報を整理する
タスク名 | 期間 | 開始日 | 依存関係 |
---|---|---|---|
要件定義 | 5日間 | 2025/08/01 | - |
UI設計 | 4日間 | 要件定義終了後 | ✅ |
フロントエンド開発 | 6日間 | UI設計終了後 | ✅ |
バックエンド開発 | 6日間 | UI設計終了後 | ✅ |
結合テスト | 4日間 | フロント&バック終了後 | ✅ |
リリース | 1日間 | テスト終了後 | ✅ |
Step2. AIにコードを生成してもらう
それをGeminiに貼り付けて、「PlantUML記法でガントチャートを描くコードを作成して」と入力すると、以下のコードが生成されました。プロンプトを詳しく説明すればするほど、生成されるコードの品質は高くなります。
@startgantt
language ja
saturday are closed
sunday are closed
Project starts 2025-08-01
[要件定義] as [REQ] requires 5 days
[REQ] is colored in Lavender/LightBlue
[UI設計] as [UI] requires 4 days
[UI] is colored in LightBlue
[REQ] -> [UI]
[フロントエンド開発] as [FE] requires 6 days
[バックエンド開発] as [BE] requires 6 days
[UI] -> [FE]
[UI] -> [BE]
[FE] is colored in #E6E6FA
[BE] is colored in #D8EAF2
[結合テスト] as [TEST] requires 4 days
[FE] -> [TEST]
[BE] -> [TEST]
[TEST] is colored in LightSalmon
[リリース] happens at [TEST]'s end
[リリース] is colored in LightGreen
' 任意の注目期間を強調
2025-08-15 to 2025-08-18 are colored in MistyRose
@endgantt
Step3. エディタにコピペする
上記のコードをpumlファイルとして保存して、Alt + Dを押せば、画像が反映されます。
Step4.ガントチャートを保存する
下にコピーのボタンがありますので、それをクリックしてwordなどにコピペ可能です。
3. 上級者向けのカスタマイズ設定
月単位または週単位に変換したり、タスクバーの色をカスタマイズしたりする場合は、上級者向けの記法が必要です。
機能 | 設定例 | 説明 |
---|---|---|
時間スケール | scale monthly | 月単位の長期プロジェクト向け |
タスクバー色 | skinparam ganttTaskBackgroundColor #FFDDDD | 可読性向上 |
フォント指定 | skinparam defaultFontName Meiryo | 日本語表示を最適化 |
フォントサイズ | skinparam ganttTaskFontSize 14 | 発表資料にも使える視認性 |
4. PlantUMLはガントチャートの作成に適しているか?
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
柔軟性 | ✅ 自由度が高くカスタムしやすい | ❌ 構文理解にやや学習が必要 |
バージョン管理 | ✅ Gitで管理しやすい | ❌ 複雑な構成になると可読性が落ちる |
自動化 | ✅ AIと組み合わせやすい | ❌ 手動描画よりも直感的ではない |
向いているユーザー | 開発者・技術職向け | 非技術者にはやや難解 |
5. EdrawMax:ノーコードでガントチャートを描けるツール
EdrawMaxはわずか数分でプロ並みのガントチャートを作成でき、プロジェクトの進捗管理を強力にサポートします。 豊富なテンプレートとドラッグ&ドロップ操作が可能なプログレスバーで、線表作成をより簡単かつスピーディーに行えます。ガントチャート作成専用ツールとして、以下の特徴が挙げられます。
- ノーコード編集:マウス操作だけでタスクの配置・調整が可能
- バージョン履歴:変更履歴を記録・復元できる
- 豊富なテンプレート:開発、製造、教育など多様な業種に対応
- Excel/CSVからの自動生成:既存データから即座にガントチャート化
- 高品質な出力:PDFやPNG、SVGでの書き出しに対応、プレゼン資料にも最適