最近、海外で人気の画像生成AI「Nano Banana」は、画像の主体一致性に優れており、例えば自分の写真をアップロードするだけでフィギュア風の画像を生成できることで知られています。この特徴を活かせば、建築物の写真を直接アップロードし、適切なプロンプト(指示文)を組み合わせることで、施工用の建築立面図を生成することも可能です。本記事では、その具体的な手順とポイントをご紹介します。
Part1. Nano Bananaで立面図を作成する方法
Nano Bananaで生成した建築立面図
基本的な流れは「画像生成(Image-to-Image)」です。適切なプロンプトを使うことで、元の写真をもとにAIが立面図を生成します。以前の記事【Nano Bananaで科学イラストを作成する】ではプロンプト作成の基本を紹介していますので、詳しく知りたい方はそちらもご参照ください。
Step1. Nano Bananaにログイン
Googleで以下のURLを検索してアクセスします:https://aistudio.google.com/
開いたページで、リストの中から最初のプロジェクトを選択します。
Step2. 画像をアップロードし、プロンプトを作成
生成したい建物の写真をアップロードし、立面図化したい内容をプロンプトに記載します。
Step3. パラメータを調整(任意)
右側のパネルには以下のパラメータがあります。必要に応じて調整してください。
- Temperature:生成画像の創造性(自由度)を設定
- Add stop sequence:指定文字列以降を出力しない
- Output length:生成トークンの最大数
- Top P:上位確率のサンプリング閾値
Step4. 生成結果に応じてプロンプトを修正
生成された画像を確認し、細部の修正を加えたい場合はプロンプトを調整。納得がいくまで繰り返します。
Part2. 高品質な立面図を生成するコツ
- 写真の正面性を重視:立面図は正面からの撮影が基本です。斜め写真だと変形しやすくなります。
- 背景を除去:建物以外の要素があると、AIが混同してしまう可能性があります。
- プロンプトの具体性:窓の配置、階数、屋根形状など、細かく指示すると生成精度が向上します。
- 段階的に生成:一度で完璧を目指さず、少しずつ修正していくのがコツです。
Part3. 立面図・平面図作成ツール
Nano Bananaで立面図を生成するのは便利ですが、出力画像は編集できません。細部を修正したい場合や、編集可能なファイルとして保存したい場合は、EdrawMaxなどの描画ツールで手動作図するのがおすすめです。
EdrawMaxの主なメリットは以下の通りです。
特徴①豊富な建築用ベクター素材とテンプレート
特徴②高度な編集機能
特徴③バージョン管理と共有機能
特徴④高い互換性
- Visio、DWG、DXFのインポート可能
- 画像、SVG、PDFなど多形式で出力可能
Nano Bananaで生成した画像を参考にしながら、EdrawMaxで正確な立面図を作成することで、実務でも使える品質の図面を効率よく作成できます。
Part4. FAQ
Q1. Nano Bananaで建築立面図を作るメリットは?
短時間で参考になる立面図を作成できる写真から直接生成できるので作図の手間が減る
Q2. 編集可能な建築図を生成できるAIツールはある?
現状、AI単体では編集可能なベクターデータを出力できるものは少ないため、EdrawMaxなどのツールと組み合わせるのが現実的です。
Q3. Nano Bananaで生成した立面図を他形式に変換する方法は?
生成画像をEdrawMaxにインポートしてトレース
PDF、SVGなどの形式で出力可能