論文やレポートで情報を視覚的に伝えるために、図や表はかかせません。しかし、どうやって図表を自作し配置すると伝わりやすくなるでしょうか。
自分にあったツールを使わないと図表の作成に時間を取られてしまいます。良いツールを使ったとしても、ポイントを押さえていないと図表が原因で論文の内容が混乱してしまいます。
この記事では、論文やレポートの図表作成の注意点をあげて、わかりやすい図表の作成方法がわかります。作成ソフトはオフィス系以外の4つを比較して、それぞれの特徴や機能を解説しています。図表の明瞭性、自己完結性、正確性、そして適切な配置の重要性を理解し、それらを実現するためのツールを学べます。これから論文やレポートで図や表を自作する必要がある方は、最後まで読んで参考にしてください。
1.自作した図表を論文に入れるときの注意点

論文で図や表を使うときに一番大切なのことは、その図や表が論文の話をはっきりと補って、読む人がすぐに理解できるようにすることです。図や表は、論文で言いたいことを目で見てわかりやすくし、難しいデータや考えも簡単に伝えられます。しかし、図や表を間違った方法で使うと、読む人が混乱してしまうこともあるんです。では、どんなことを注意すればよいのでしょうか。
- シンプルでわかりやすい図表を使う
- 適切な場所に配置する
1.1 シンプルでわかりやすい図表を使う
図や表を作るとき、簡単で分かりやすいものにすることが大切です。難しい図や表は、内容が複雑になり、理解できません。はっきりとした画像、くっきりした線、読みやすい文字の大きさを使いましょう。そして、図や表だけでも情報が完全に伝わるようにしてください。図や表が論文の内容を補い、もっと深く理解できるようになります。
図や表は、論文の主張やデータを見やすく示すのに役立ちます。わかりやすい図や表には、次のような特徴があります。
①はっきりとして正確
図や表は、目指す情報を正確に、はっきりと伝える必要があります。適切な大きさ、明確なラベル付け、そして必要な情報だけを含むことです。
②自分で理解できる
シンプルな図や表は、文章を読まなくても内容が理解できます。適切なタイトル、説明のある注釈、そして必要に応じてキャプション(説明文)をつけることが必要です。
③見た目が良い
きれいなデザインは、人の注意を引き、情報を理解しやすくします。フォントをそろえること、色の使い方が調和していること、そして余計な装飾を避けることです。
④一貫している
論文の中で使われる図や表は、スタイルや形式が一貫しています。文字の種類や大きさ、線の太さ、色の使い方などです。
⑤目的がはっきりしている
図や表は、論文の特定のポイントを強調したり補ったりするために使われます。必要以上の情報を詰め込まないことが大切で、重要なデータだけを示すことがポイントです。
図や表を上手に使うことで、論文がもっと理解しやすくなり、説得力が増します。複雑なデータや考え方も簡単に理解できるようになり、論文全体の質が向上します。
1.2 適切な場所に配置する
図表を上手に使うと、難しい内容を理解しやすくなります。そのためには、図表を文章で書いている部分の近くに配置することが大切です。そうすることで、読んでいる人は文章と図表の間のつながりをすぐに理解できます。また、図表は文章でしっかり説明しなくてはいけません。読んでいる人は図表と文章の内容をつなげて、より深く理解できるようになります。
図表を配置する際に意識するポイントは次のとおりです。
①文章とのつながり
図表は、その図表について書いている文章のすぐ後ろに置くと理解しやすくなります。直後に配置することで、読んでいる人は文章と図表が関係していることがわかります。
②ページの見やすさ
図表はページの中で場所を取らないように気をつけましょう。特に大きな図表は、ページの始めに置くと読みやすくなります。
③番号と説明
図表には番号をつけて、何の図表か分かるような短い説明を加えましょう。番号があると、読んでいる人がどの図表のことを話題にしているのかすぐにわかります。
④図表の参照方法
文章の中で図表を指すときは、その番号を使って明確に示します。例えば、「図1を見るとわかるように...」などと言います。
⑤デザインの調和
図表は、他のページとデザインが合うように作ることが大切です。これは全体の見た目を整えるためです。
図表を適切な場所に配置することで、読者は内容をスムーズに読み進め、より深く理解できるようになります。特に難しいデータや概念を説明するときには、このポイントが効果的です。
2.オフェス系以外の図表作成ソフト・サイト4選
論文やレポートで使用する図表を作成するためには、どのようなツールを使えばよいのでしょうか。ここでは、オフィス系ソフトウェア以外の選択肢を4つ紹介します。これらのツールは、特定のニーズや専門性を持つユーザーに適しており、論文の質を向上させるのに役立ちます。
1.EdrawMax
EdrawMaxは、直感的なインターフェースと豊富なテンプレートを備えた多機能図表作成ソフトウェアで科学イラスト作成ツールとして使えます。フローチャート、マインドマップ、物理学、化学、生物学など、理系の図表を簡単に作成できます。また、直感的に操作できること、AIによる図表の作成など、幅広い業界で利用しやすいことが特徴です。Nano Banana Pro搭載の最新バージョンなら、指示文を入力するかテキストから直接的に思い通りの模式図が瞬時に完成します。

上記の画像は、EdrawMaxの理系図作成用のテンプレートの一部です。無料で使えるテンプレートから図形のテンプレートを使用してみます。

必要な図形を使用でき、数値や記号など図形に直接書き込むことも簡単にできます。記号は左側のライブラリから検索できます。

数学記号だけでなく、化学反応式や力学記号なども簡単に挿入できます。また、Echart も搭載しておりますので、研究に関する様々な図表を作成することができます。Latexで数式の入力にも対応します。

論文の内容を選択して、模式図を自動生成します。
2.gnuplot

gnuplotは、無料で使用できるグラフ作成ツールです。複雑な数学的データを視覚化する能力に優れており、高度なカスタマイズが可能です。科学者や理系の学生がデータを可視化するのに役立ちますが、初心者にはやや難しいかもしれません。
3.Origin

Originは、データ分析とグラフ作成のためのソフトウェアです。300以上のグラフテンプレートを提供し、簡単な操作でカスタマイズや新しいグラフの作成が可能です。高品質のグラフは他のアプリケーションに簡単にエクスポートできます。Excelファイルとの連携もスムーズで、データの取り込みやエクスポートが可能。柔軟なプロジェクト構造とワークブックを通じたデータ管理、自動更新される計算式、データ変更に応じた自動再計算機能が特徴です。
4.stata

Stataは、統計分析・データ管理・グラフィックス作成・レポーティングに特化した統合ソフトウェアです。様々な種類のデータを管理・活用でき、多くの統計機能に対応。カスタムグラフの作成や、ExcelやPDFでのレポートを自動で作成できます。自動スクリプトやプログラミングにより拡張性も備えています。使い方も簡単で、WindowsやMac、Linux/Unixの各OSで動作するソフトです。無料のウェビナーや動画チュートリアルがあり、stataを使いこなすサポートを受けられます。
| 項目 | EdrawMax | gnuplot | Origin | Stata |
|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 作図・製図業務に特化し、280種類以上のダイアグラムを搭載。 直感的に操作でき、業界特化テンプレートが豊富。 |
コマンドライン駆動のグラフ作成ツール。 長い開発実績と高い拡張性。 |
科学・工学分野向けの高機能可視化ソフト。 分析から解釈まで一貫対応。 |
統計解析と可視化に特化。 自動レポートや学習リソースが充実。 |
| 機能 | 多彩な図形・ダイアグラム。 SVG・Visio・Office形式に対応。 |
2D・3Dプロット対応。 PDF・画像への直接出力。 |
2D・3Dグラフ作成。 高度な統計・バッチ処理。 |
統計解析機能。 Python統合と自動レポート。 |
| 費用 | 個人:年9,800円 学生:年8,800円 |
無料 | 個人:年465ドル 学生:年69ドル |
ビジネス:年840ドル 学生:年94ドル |
| 対応言語 | 日本語・英語ほか | 日本語・英語 | 日本語・英語 | 日本語・英語 |
| 対応OS | Windows / Mac / Linux / Web/ iOS/ Android | Windows / macOS / Linux | Windows / Mac | Windows / Mac / Linux |
| テンプレート | あり | なし | あり | なし |
まとめ
論文の図を自作する際には、図表の明瞭性、自己完結性、正確性、適切な配置が重要です。また、オフィス系以外の図表作成ツールを活用することで、論文の質をさらに高められます。EdrawMax、gnuplot、Origin、stataは、それぞれ異なるニーズに応えることができる優れたツールです。これらのツールを適切に選択し、活用することで、論文やレポートのプレゼンテーションを強化し、より深い理解を読者に提供しましょう。
付録:Science Citation Index図表作成の基本
SCI 論文における図表作成の基本原則についてチェックリスト整理して示します。編集者および査読者の視点を踏まえ、図表の正確性、自己完結性、一貫性、印刷適性といった重要要件を中心に解説します。さらに、解像度、ファイル形式、サイズ、配色、統計表現、有意差の表記方法など、投稿時に遵守すべき具体的な技術基準を体系的にまとめています。
