階段断面図は、階段の形状や構造を設計や施工に正確に伝えるための重要な図面です。踏面・蹴上の寸法や構造の納まり、手すりの取り付け位置まで、断面図一枚で多くの情報を表現します。
今回の記事では、採用されることが多い8つの階段事例をもとに、階段断面図の基本的な書き方のポイントについて解説していきます。
1.階段の断面図事例8選
階段は間取りや平面計画、デザインなどによってさまざまな形状、種類があります。
代表的な階段の形状として、
- 直階段
- 折れ階段(L字階段)
- U字階段(折返し階段)
- かね折れ階段
- らせん階段
- 円形階段
- 曲線階段
- 回り階段
上記の8種類形状があります。
ここからこの8種類の階段形状の特徴などについて詳しく解説していきます。下記はすべてEdrawMax AIによる生成された事例です。
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① 直階段

直階段は一直線に上がる最もシンプルな形状で、住宅から公共建築まで幅広く使われます。
断面図では、踏面と蹴上が規則正しく連続して並ぶ断面が特徴です。
平面図では長方形の連続した踏板が一方向に並び、立面図では各段の高さが均等に積み重なる様子が確認できます。
断面図には蹴上・踏面の寸法、有効幅、床から天井までの有効高さなどを記入します。
② 折れ階段(L字階段)

折れ階段は、途中に設置される踊り場で90度方向転換し、上階へ上がる階段です。
平面スペースを効率よく利用でき、マンションや戸建住宅の階段室に多く採用されます。
断面図では踊り場の位置と厚み、踊り場前後の段数配分が重要です。
平面図ではL字形の配置が明確で、踊り場の有効寸法を確認できます。
立面図では踊り場が重要で、段が折れ曲がる形状が示され、踊り場の高さ寸法などを明記します。
③ U字階段(折返し階段)

U字階段は、踊り場で180度方向転換する階段です。
コンパクトな吹き抜けスペースに収まり、集合住宅などの共用階段で採用される場合が多いです。
断面図では上段・下段の2列が並行して描かれ、踊り場が中央に位置する形となってきます。
両側の段を切断した場合、断面上でそれぞれの踏面、蹴上が重なるように見えるため、見えがかりの線と断面線を明確に描き分けることが重要です。
立面図では踊り場を中心に対称に近い形状が現れます。
④ かね折れ階段

かね折れ階段は、踊り場を設けず、扇形または平行四辺形の踏板によって方向転換する階段です。
踊り場分のスペースが不要なため、狭小住宅に多く採用されます。
断面図では、回り踏板の部分で踏面形状が変化するため、通常の矩形踏板と回り踏板の境界を明示します。
平面図では角部に扇形の踏板が集中する形状が現れ、立面図では折れ角度が確認できます。
⑤ らせん階段

らせん階段は、中心柱を軸として踏板が螺旋状に回転しながら上昇する階段です。
意匠性が高く、空間のシンボルとしての役割も果たします。
断面図では中心柱と各踏板の取り付け関係、踏板の出を表現します。
踏板は中心から外周へ向かって扇形となるため、断面では先端が細く根元が太い形状が現れます。
平面図では均等に放射状に配置された踏板の円形プランが確認でき、立面図では一定ピッチで上昇する連続した踏板の重なりが表現されます。
⑥ 円形階段

円形階段は、中心が空洞で、円弧状の踏板が外壁と内壁の間に架かる形状です。
らせん階段と混同されがちですが、中心柱がなく、踏板を内外の壁またはストリンガーで支持する点が構造的に異なります。
断面図では内壁・外壁の曲面形状と踏板の支持関係を表現し、各部の曲率半径を寸法で示します。
立面図では外周の円弧に沿って踏板の端部が美しい曲線を描く形状が現れます。
⑦ 曲線階段

曲線階段は、一定の曲率でなく、緩やかなカーブを描きながら上昇する形状の階段です。
ホテルのロビーや邸宅の玄関ホールに採用され、優雅な空間演出が可能です。
断面図では曲線の変化に合わせて踏板形状が変わるため、代表断面と要所の断面を複数描いて形状変化を伝えます。
立面図ではなめらかに変化する側面の曲線が最大の特徴であり、設計意図を伝える重要な図面となります。
⑧ 回り階段

回り階段は、踊り場の代わりに三角形または台形の回り踏板を使って方向転換する階段です。
かね折れ階段と似ていますが、回り踏板の枚数が多く、より緩やかに角を曲がれる点が特徴です。
断面図では回り踏板の広がり方向と有効踏面寸法の表現が重要で、各踏板の高さが均等に保たれているかを確認します。
平面図では扇状に展開する踏板が方向転換部に配置される形状が現れます。
2.階段断面図の書き方
2.1必要な基本要素
階段は、以下の基本要素から構成されて作られています。
- 階高
- 蹴上
- 踏面
- 段数
- 踊り場
そのため階段断面図を書くには、上記の要素をもとに作成する必要があります。
2.2階段寸法のルール
階段の各要素の寸法は、建築基準法によってルールが定められています。
階段の幅は 75cm以上、蹴上は23cm以下、踏面は15cm以上とされています。
しかしこれは最低限のルールであるため、安全性や利便性を考慮して実際には、蹴上18〜20cm程度、踏面20〜22cm程度とされることが多いです。
2.3作図手順(ステップバイステップ)
ここからは実際に階段断面図を作図する際の手順について解説していきます。
ぜひ参考にしてください。
① 総高さを決める
まず階段の総高さを決めます。
これは階高のことでもあり、この高さが階段の各種寸法の計算の基準となってきます。
②蹴上寸法を決める
次に蹴上寸法を決めます。
上がりやすい寸法で20cm以下で設定するのがおすすめです。
③段数を算出する
総高さと蹴上寸法を割ることで、階段の段数を算出します。
例として総高さが2950mmで14段の場合、蹴上寸法210mm。
15段の場合、蹴上寸法197mmとなります。
この計算でより適切な段数は15段であると算出されます。
④ 踏面寸法を決める
階段を設置するスペースと算出された段数を割ることで踏面を決定します。
狭い踏面にならないように22cm程度となるように、設置スペースを確保することが重要です。
⑤勾配を確認する
断面図上で、階段の勾配を確認します。
一般住宅では30度〜35度程度が多いです。
あまりに急勾配になると、安全性などの確保が困難となってしまいます。
⑥断面線を引く
ここからはEdrawMaxでの断面図の書き方を手作業とAI生成の場合の解説をします。
まず手作業の場合、総高さなど基準の線を点線等で記入します。

次に決定算出した蹴上、踏面などの断面線を記入します。

あとは蹴上や踏面の寸法を記入して仕上げていきます。

手作業の場合、簡単な流れとしてはこのような流れで作成していきます。
次にAI生成によって階段断面図を作成する場合についてです。(EdrawMaxのAI図面生成機能を活用します。)
まずAIダイアグラムクリエイターの方に、作成したい階段断面図の条件などを入力します。

入力して少し待てば上記のような細かくキレイな図面が、簡単に作成できます。
手作業では入力に時間がかかる図面もAIでは短時間で見栄えのする図面が出来上がります。
3. 階段断面図に関するFAQ
ここからは階段断面図に関して特に多いFAQについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
①階段断面図と立面図の違いは?
断面図は建物を垂直に切断した内部断面を示し、階段の構造を表現します。立面図は外側から見た正面を表し、内部構造は描きません。階段の構造的な検討には断面図が重要な役割を果たします。
②踏面と蹴上は断面図でどのように表現しますか?

切断面に当たる踏面と蹴上は太い実線で描きます。切断されない見えがかりの段は細い実線で表現し、寸法線で踏面寸法と蹴上寸法を明記します。
③階段断面図で最も多い作図ミスは何ですか?
ミスとして多いのは、段数の数え間違いです。段数を間違えると、階高や間取りに影響を与えてしまいます。段数に対して階高や蹴上、踏面の寸法が正しいかチェックすることが重要です。
④手すりは断面図にどこまで描きますか?

断面の切断位置に手すりがある場合は断面形状を描きます。切断位置から見える範囲の手すり(見えがかり)は細実線で表現します。
高さと笠木断面も記入するとよりわかりやすい断面図に仕上がります。