ローソク足チャートは、株式やFX、仮想通貨の価格変動をひと目で把握できるテクニカル分析の基本ツールです。ローソク足とは、高値・安値・始値・終値という四つの価格情報を「足形」で表すもので、チャートの形を通じて市場の心理やトレンドを読み取る手がかりになります。
本記事では「ローソク足チャートとは何か」から始めて、見方・種類・そしてExcelやEdrawMaxを使った具体的な書き方まで、初めての方にも分かりやすくステップごとに解説します。
1.ローソク足チャートとは?
ローソク足チャートは、株式や為替、仮想通貨などの金融商品の価格変動を視覚的に表現するチャートの一種です。一つの「足(ローソク)」が、ある一定期間の「始値・終値・高値・安値」の4つの価格情報を示しており、形や色によってその期間の値動きを一目で把握できるのが特長です。
ローソク足の起源は17世紀の日本にあり、米相場の分析に使われていたことから「日本式チャート」とも呼ばれます。現在では世界中の投資家にとって基本的な分析ツールとなっており、チャートパターンを通じて売買タイミングや相場の流れを予測する手段として広く活用されています。
2.ローソク足チャートの見方
ローソク足チャートの基本構造を理解することは、相場の動きを読み取るうえで非常に重要です。1本のローソク足には「始値」「終値」「高値」「安値」の4つの価格が含まれています。
- 始値:その期間の取引開始時の価格
- 終値:その期間の取引終了時の価格
- 高値:その期間中に記録された最も高い価格
- 安値:その期間中に記録された最も低い価格
ローソク足の「実体」は始値と終値の差を表し、「ヒゲ」は高値・安値を示します。終値が始値より高ければ陽線(通常は白または赤)、低ければ陰線(通常は黒または青)で表示されます。
例えば、陽線は買い圧力が強かったことを示し、陰線は売り圧力が強かったことを示します。また、ヒゲが長い場合は価格が大きく変動したことを意味し、実体が小さい場合は相場の方向感が弱いことを示唆します。
このように、ローソク足1本からでも、その期間の市場の動きや投資家心理を読み取ることができるため、チャート分析の基礎として非常に有用です。
3.ローソク足チャートの種類
ローソク足チャートには、特定の相場状況を示す多様な「形(パターン)」があります。これらは大きく分けて「単体の足形」と「複数本で構成される足形」に分類され、それぞれが今後の相場の方向性を示唆するシグナルとして活用されます。
1本のローソク足で判断するパターン
・陽線(陽の丸坊主)
上ヒゲも下ヒゲもなく、始値から終値まで一直線に上昇した形。強い買いの勢いを示します。
・陰線(陰の丸坊主)
陽線とは逆に、始値から終値まで一直線に下落した形。強い売りの圧力を表します。
・十字線
始値と終値がほぼ同じで、実体がほとんどない形。相場の迷いを表し、転換点の可能性があります。
・トンカチ/カラカサ
実体に対して、上ヒゲまたは下ヒゲが長い形。安値圏で出現すると上昇転換のサインとされます。
複数本のローソク足で構成されるパターン
・包み足(つつみ足)
陽線が前の陰線を完全に包む形や、陰線が陽線を包む形。相場の反転を示す可能性があります。
・はらみ足
陽線や陰線の中に次のローソク足が収まっている形。エネルギーの溜まりを示し、ブレイクアウトの前触れとも言われます。
これらのパターンは単体で判断するのではなく、前後の足やトレンドの文脈と合わせて分析することで、より精度の高い相場判断が可能になります。
4.ローソク足チャートの書き方とツール
ローソク足チャートは、視覚的に相場の動きを把握できる強力な分析ツールですが、実際に自分で作成することで理解が一層深まります。ここでは、初心者でも簡単に扱える2つのツール「Excel」と「EdrawMax」を使って、ローソク足チャートを作成する方法をステップバイステップで解説します。
① Excelでローソク足チャートを作成する方法
Excelは、多くのユーザーにとって最も身近な表計算ソフトです。株価データがあれば簡単にローソク足チャートを作成できます。
ステップ1:データを準備する
以下のような形式で、日付・始値・高値・安値・終値を入力します。
日付 |
始値 |
高値 |
安値 |
終値 |
9/1 |
1000 |
1050 |
980 |
1020 |
9/2 |
1020 |
1080 |
1010 |
1070 |
9/3 |
1070 |
1080 |
980 |
1000 |
9/4 |
1000 |
1020 |
930 |
950 |
9/5 |
950 |
1100 |
950 |
1050 |
9/6 |
1050 |
1110 |
1020 |
1080 |
9/7 |
1080 |
1100 |
960 |
980 |
ステップ2:ローソク足チャートを挿入する
- データ範囲を選択
- 「挿入」タブ →「グラフ」→「株価」→「ローソク足」を選択
- 表示形式が正しく反映されれば成功
ステップ3:書式を整える
- 色や線の太さを変更して見やすく
- 日付ラベルやタイトルを追加
- 目盛りや軸の調整も可能
Excelの強みは、自動で更新・分析ができる点にあります。証券会社のデータやCSVを取り込めば、日々のチャートを自動生成することも可能です。
② EdrawMaxでローソク足チャートを作成する方法
EdrawMaxは、図解・チャート作成に特化したツールで、テンプレートや図形が豊富です。ローソク足も簡単にビジュアルで表現できます。
ステップ1:ローソク足パーツを配置
- 左側のライブラリのチャートからローソク足チャートを選択
ステップ2:データを反映
- 図のメニューからデータの編集を選択
- 必要な本数を並べ、各足に日付、価格帯などのラベルを入力
ステップ3:仕上げ・保存
- タイトルや注釈を加え、PDFや画像でエクスポート
EdrawMaxは、プレゼン資料や教材作成にも適しており、視覚的な伝達力に優れています。
Excelは「日々のチャート管理」、EdrawMaxは「視覚資料の作成」と使い分けるのが理想的です。実際に自分の手で作成することで、ローソク足チャートの仕組みや意味をより深く理解できるでしょう。
まとめ
ローソク足チャートは、価格の始値・終値・高値・安値を一目で把握できる、非常に実用的なテクニカル分析ツールです。形状や色の違いによって市場心理を読み取る手がかりとなり、初心者でも相場の流れをつかみやすくなります。
本記事では、ローソク足チャートの基本的な仕組みから、パターンの種類、そしてExcelやEdrawMaxを使った作成手順まで、体系的に解説しました。実際に手を動かしてチャートを作成することで、より深い理解につながります。まずは、無料体験版があるEdrawMaxで基本を押さえ、自分に合った分析方法を見つけていきましょう。