樹状図

デンドログラムとは?読み方・作り方を紹介

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編集者: Edraw

近年、データ分析の現場やビジネスの意思決定において「構造的な理解」がますます求められています。そんな中で注目されているのが、「デンドログラム(樹形図)」です。クラスタリングの結果を木構造で可視化することで、情報の関係性や階層構造を直感的に把握できるため、初心者でも扱いやすい分析ツールとして活用されています。

本記事では、「読み方・作り方」までを丁寧に紹介し、初心者の方がすぐに使える「EdrawMind」の紹介をします。

デンドログラム

1. デンドログラムとは?

デンドログラムとは、多くの項目を階層的にグループ化し、それを木構造(樹形図)として視覚的に表現した図のことです。主に「階層的クラスタリング」という手法で得られた結果を示すのに使われ、情報同士の関係性や類似性を直感的に把握できるのが特徴です。

デンドログラム 樹形図

具体的には、最初にすべての項目を個別の点として配置し、類似度が高いものから順にペアにまとめていきます。このペアをさらに他の項目やグループと統合しながら、最終的にひとつの大きなグループにまとめるというプロセスを繰り返します。その過程を木の枝のように可視化したものがデンドログラムです。

デンドログラムはデータサイエンスや市場調査、遺伝子解析など幅広い分野で活用されており、特に「全体の構造を把握する」目的で重宝されています。

類似した概念に「系統樹」がありますが、これは主に生物の進化の過程を表すのに使われます。両者ともに木構造を用いる点で共通していますが、デンドログラムはあくまでデータのグループ化に注目し、系統樹は進化や由来といった時間的な流れを重視するという点が異なります。

デンドログラムの構成においては、枝の長さが「距離」や「類似度」を意味することが多く、どのグループがどれだけ近い関係にあるのかを視覚的に理解できます。特に、項目が多く複雑な関係にある場合、その全体像を一目で掴めるため、初心者にも有用な分析ツールとなっています。

このように、デンドログラムは単なる図解以上の意味を持ち、情報の構造を明らかにするための強力な手段として注目されています。

2. デンドログラムの作り方

① Microsoft Excel で作成する方法

Excel には直接「デンドログラム(樹形図)」を作成する機能は備わっていませんが、工夫を凝らすことで簡易的に作ることが可能です。以下のようなステップが参考になります。

デンドログラム 樹形図 Excel1

  1. Excelを起動し、新規から空白のブックを選択して新規データを準備する。空白のブックが開きましたら、上部タブ「挿入」から「図形」を選択し、テーマやトピックとなる図形を選び挿入する。

デンドログラム 樹形図 Excel2

  1. テーマ図形や各トピックには「クラスタA」などのラベルを付け、わかりやすく分類する。図形の挿入後に文字を縦書きし、枠内中心に設定して見やすくします。

デンドログラム 樹形図 Excel3

  1. トピックの関係を表すため「挿入」タブの「図形」から折れ線を選択し、テーマとクラスタAを線で繋ぎます。図形をクリックしながら繋げたい図形まで線を引くことができます。

デンドログラム 樹形図 Excel4

  1. 美しく仕上げるために、線の太さや図形を色分けして表現することで見やすく、一目で関係性を理解できます。図形オプション「線」「塗りつぶし」の色や幅で調整することができます。

デンドログラム 樹形図 Excel5

このように、Excel を使ったデンドログラム作成は「図形の工夫」が鍵となり、専門的なソフトがなくとも「構造を視覚化する」第一歩になります。

② EdrawMind で作成する方法

EdrawMind は主にマインドマップや樹形図を作るためのツールですが、データ分析結果の可視化にも非常に役立ちます。計算やクラスタリング手法そのものは行いませんが、「視覚的に整理・共有」する面で強みがあります。

デンドログラム 樹形図 EdrawMind1

  1. EdrawMind を起動し、作成から「空白のマインドマップ」を選択

デンドログラム 樹形図 EdrawMind2

  1. 中心に「テーマ(例:顧客セグメント分析)」を入力し、メイントピックを作成

各トピックに「クラスタA」などのラベルを付け、データ分析の結果を視覚化

デンドログラム 樹形図 EdrawMind3

  1. レイアウトを縦型マインドマップへ変更

右メニューのレイアウトから「組織図(下)」を選択

デンドログラム 樹形図 EdrawMind4

  1. トピック追加・編集

・メイントピックに細分化したサブトピックを追加

・クラスタごとに色分けや枠線を付けて見やすく編集

デンドログラム 樹形図 EdrawMind5

なぜ「計算はしないが図解に強い」のか?

  • EdrawMind は「発想を可視化する」ことに特化しており、統計的な処理やクラスタリング計算を行う機能が主目的ではありません。
  • モデルやアルゴリズムに詳しくなくても「構造を整理」「関係を図として見せる」ことができ、初心者にもハードルが低いのが大きなメリットです。
  • リアルタイム共同編集や出力形式の豊富さにより、分析結果をチームで共有、発表する場面でも活用しやすくなっています。

3. 活用事例

①顧客セグメンテーション

デンドログラムは、マーケティングにおける顧客セグメンテーションに広く活用されています。たとえば、購買履歴やアンケート結果などから顧客の類似性を分析し、それを階層的にグループ化することで、「どの顧客がどのような属性を持つか」「どのように商品提案すべきか」などを可視化できます。クラスタごとに異なる施策を設計することで、ターゲットを絞ったマーケティングが可能になります。

デンドログラム 樹形図 事例1

②商品やサービスの分類

商品の機能や価格帯などをもとにグループ分けを行い、似た商品をデンドログラムでまとめることができます。これにより、販売戦略や商品ラインナップの最適化が進むほか、未開拓の市場ニーズを発見する手がかりにもなります。また、サービス内容をクラスタリングすることで、どのサービスがどの位置づけにあるかが明確になり、差別化戦略にも役立ちます。

デンドログラム 樹形図 事例2

③遺伝子解析・生物データ分析

生物学では遺伝子情報を比較し、進化や系統関係を明らかにするために使われます。商業では顧客の購買傾向を分類して販売戦略に活用でき、医療では患者データから病気の分類や診断支援に役立ちます。このように複雑な情報を視覚的に整理し、データの構造や隠れた関係性を把握しやすくなります。

デンドログラム 樹形図 事例3

このように、デンドログラムはビジネスから研究分野まで幅広く応用可能であり、情報の構造を明確にする手段として非常に有効です。

4. 樹形図作成ツール

デンドログラムの視覚化に便利なツールのひとつが「EdrawMind」です。このツールは、専門的な統計知識がなくても、直感的な操作で樹形図やマインドマップを作成できる点が特長です。階層構造の表現に特化したインターフェースにより、複雑な情報の整理にも適しています。

①豊富なテンプレート

EdrawMindには、多様なテーマに対応した豊富なテンプレートと図解要素が用意されています。テーマや構造を自由にカスタマイズできるため、利用目的に応じた構成が簡単に作成できます。直感的なUIにより、初めてのユーザーでもすぐに操作を習得できます。

デンドログラム 樹形図 EdrawMind テンプレ

②AI機能

AIによる自動生成機能を活用すれば、キーワードや短い説明文を入力するだけで関連ノードが自動で展開されます。ノードの追加・移動・再構成もドラッグ&ドロップで簡単に行え、作業時間の短縮や図解の質の向上が期待できます。

デンドログラム 樹形図 EdrawMind AI

③多様な出力形式と共有

作成した図は、PDF、PNG、PowerPoint形式など多様なファイル形式で出力可能です。また、クラウド上でのリアルタイム共有機能も備えており、チームでの共同作業やプレゼン資料の作成にも対応できます。

デンドログラム 樹形図 EdrawMind 共有

EdrawMindは、デンドログラムを「わかりやすく・伝わりやすく」整理するための強力な可視化ツールといえるでしょう。

まとめ

デンドログラムは、複雑な情報を階層的に整理し、視覚的に把握するのに非常に優れた手法です。顧客分析や商品分類、遺伝子解析など、さまざまな分野で活用されており、データの関係性や構造を一目で理解できる利点があります。また、EdrawMindのようなツールを活用することで、専門知識がなくても直感的に図を作成し、チームで共有することが可能になります。

初心者でも扱いやすく、無料体験版があるEdrawMindを活用して、気軽にデンドログラムを作成してみてください。

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