「家族図(ジェノグラム)」を使えば、家族関係や心理的つながりをひと目で把握することができます。本ガイドでは、家族図の基本的な意味や家系図・エコマップとの違いから、記号の見方、作成手順、さらにおすすめのジェノグラム作成ツール「EdrawMax」まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。 保育・教育・医療・福祉の現場で活用されているこの図表の仕組みを理解し、実務や学習に役立てましょう。複雑な家庭構成や感情関係の整理にも使えるため、相談支援や家族理解の第一歩としてもおすすめです。
1. 家族図とは?
家族図(ジェノグラム)は、単なる家系図を超えて、家族構造と家族間の関係やパターンを視覚的に表す図表のことです。性別や出生年、婚姻・離婚・死亡などの事実情報だけでなく、家族間の心理的・感情的な結びつきや葛藤、支援関係なども記号や線で表現できる点が特徴です。

家族図は、医療・心理・福祉・ソーシャルワークなどの分野で使われ、家族の持つ強みや課題、世代を超えたパターン(例えば遺伝疾患、反復する関係性の傾向など)を把握するための支援ツールとして活用されます。また、支援者と当事者が共同で作成することで関係性を語り合いながら理解を深める手段にもなります。
通常、少なくとも三世代分を扱うことが多く、家系図が血縁や婚姻の「系統」を示すのに対し、家族図は「関係性の質=どのように結びついているか」に注目する点で異なります。
さらに、家族図とよく比較されるのがエコマップです。エコマップは、家族内部ではなく、本人を中心に家庭外の社会資源(学校、地域機関、支援団体など)との相互作用を可視化する図です。家族図が主に家族内の構造・関係性に焦点を当てるのに対し、エコマップは外部環境とのつながりや支援ネットワークを描く役割を担います。

つまり、家族図は家系図を土台にしつつ、関係性の質・パターンを可視化するツールであり、エコマップとの併用によって、家族とその外のネットワークを包括的に理解するための補完的手段となります。
2. 家族図の記号一覧
家族図(ジェノグラム)を描く際には、標準化された記号や線を使って人物や関係性を表現します。これにより、誰が見ても家族構成や関係性の特徴が一目で分かるようになります。ここでは、基本的な記号、関係線、感情線、特別な表記について解説します。
基本記号

関係線


感情線


その他の特別表記


記号の活用は「視覚的な分かりやすさ」が最大の利点です。EdrawMaxやCanvaなどの家族図作成ツールでは、これらの記号があらかじめテンプレートとして用意されていることが多く、初心者でも簡単に図を描くことができます。
実際の現場では、これらの記号を用いて個別の事情を反映させた柔軟な表現も求められるため、統一性を保ちつつ、必要に応じて注釈や凡例を追加するのが効果的です。
3. 家族図(ジェノグラム)の書き方
家族図(ジェノグラム)を実際に描くためには、基本的な知識と準備が必要です。このセクションでは、初心者にも理解しやすいように、作成の前準備から基本ステップ、複雑な家族構成の表現方法までを具体例を交えて解説します。
書く前の準備
- 対象の明確化:誰を中心に図を描くのかを決めます。
- 情報の整理:本人を含む3世代(祖父母、両親、本人、子)以上の家族情報を収集。
- 目的の確認:何のために描くか(例:家族関係の把握、支援計画の作成など)。
基本的なステップ
Step1:中心人物の記入
対象者を画面中央に配置し、記号(本人)で描きます。
Step2:家族構成の追加
両親、祖父母、兄弟姉妹、子どもなどを世代別に上から順に追加していきます。世代ごとに水平に配置するのが基本です。
Step3:関係線の記入
婚姻関係、離婚、養子、再婚などの関係線を引きます。
複雑な構成の表現方法
- 離婚と再婚:離婚は婚姻線に斜線を追加し、再婚相手を新たに追加して婚姻線を描く。
- 養子縁組:実線と破線で養子を描く。
- 同居や内縁関係:点線や注釈で明示。
架空の家族例
- 中心人物:45歳
- 妻:42歳
- 子ども2人:長男 17歳、長女 14歳
- 両親:父 死亡、母 77歳
- 妻の母は再婚経験あり、妹が養子
このような情報をもとに、図にまとめることで、家族の関係性が明確になります。

ジェノグラムは「描きながら対話を深める」ツールでもあります。描いた家族図をもとに、当事者と話し合いながら支援計画を立てることで、より効果的なアプローチが可能となります。
4. おすすめの家族図作成ツール EdrawMax
家族図を手軽かつ効率的に作成したい方には、「EdrawMax」というツールがおすすめです。EdrawMaxは、ビジュアル図作成に特化したソフトウェアで、初心者でも直感的に操作できるインターフェースが特徴です。
EdrawMaxの主な特徴
- 豊富なテンプレートと記号ライブラリ:家族図用にあらかじめ用意された記号(男女、関係線、感情線など)をドラッグ&ドロップで配置可能。

- 自動配置・整列機能:人物や関係線を追加するだけで、図全体を自動的に整え、見やすいレイアウトを維持。

- カスタマイズ性の高さ:色分け、注釈追加、記号のサイズ変更なども自由自在。

- 出力形式が豊富:PDF、画像、Word、PowerPointなど、多様な形式で保存・共有可能。

家族図の作成手順
- EdrawMaxを起動し、「ジェノグラム」または「家系図」テンプレートを選択。

- ドラッグ&ドロップで人物記号を配置。

- 関係線・感情線を追加し、必要な注釈や情報を記入。

- 完成した図を保存または印刷して活用。

EdrawMaxはWindows/Macの両方に対応しており、クラウド保存や共有機能も充実しています。視覚的に整理された家族図は、支援記録やカンファレンス資料としても非常に役立ちます。
まとめ
家族図(ジェノグラム)は、家族関係や感情的つながりを可視化できる優れたツールです。本記事では、その基本的な定義から記号の種類、作成手順、さらに便利な作成ツールEdrawMaxの紹介までを網羅的に解説しました。
保育・医療・福祉・教育など多様な現場で活用できる家族図は、支援の出発点として非常に有効です。テンプレートやツールを上手に活用しながら、実際の支援や対話の中で柔軟に活かしていくことが大切です。
無料体験版があるEdrawMaxをまずは、気軽に試してみることをおすすめします。