ビジネスの現場では、申請や承認の流れを「見える化」することが、ミス防止や業務効率化に欠かせません。そんなとき役立つのが「承認フロー図」です。
本記事では、初心者の方でも直感的に理解・活用できるよう、承認フロー図の基本的なしくみや種類を解説します。そして、フロー図ツールのEdrawMaxを使って、実際に図を作成する手順をステップバイステップでご紹介。さらに、記号(BPMN)や色分けなどの見やすさアップのポイントと、すぐに使える承認フロー図の「稟議」「発注申請」「休暇申請」のテンプレート3選もお届けします。
この記事を読めば、あなたの業務にぴったりの承認フロー図を、簡単に作成して共有できるようになります。
1. 承認フロー図とは?
承認フロー図とは、業務における申請から最終承認までの流れを図式化したものです。一般的には、誰がどのタイミングで何を確認・承認するのかを、矢印や記号を使って視覚的に整理します。稟議書の申請や休暇取得、備品購入など、社内での決裁を伴うさまざまな場面で活用されます。
この図を用いることで、関係者全員が「どの手順で、誰に承認をもらうのか」を事前に把握でき、申請ミスや確認漏れを防ぐ効果があります。また、業務プロセスの見直しにも役立ち、非効率なルートの改善や、承認者の最適配置などにつなげることも可能です。
特に初心者にとっては、抽象的な「フロー」を具体的に理解するためのガイドにもなり、業務の全体像を把握する手助けとなります。
2. 承認フロー図の種類
承認フロー図には、業務内容や組織の規模・文化に応じてさまざまなタイプがあります。
ここでは、代表的な3つの種類をご紹介します。
2.1 一直線型(直線型)
申請者から最終承認者まで、順番に承認を受けていく最もシンプルな形式です。主に小規模な組織や簡易な承認が必要な場合に用いられます。確認や承認に関わる人数が少ないため、処理スピードが早いのが特長です。
2.2 並列型(複数承認者型)
複数の承認者による同時承認が求められる形式です。例として、法務部門と財務部門の両方から承認を得る必要があるような場合に利用されます。時間はかかるものの、リスク分散や多角的なチェックに有効です。
2.3 分岐型(条件分岐型)
承認のルートが条件によって分岐するタイプです。例えば、申請金額が10万円未満なら課長決裁、10万円以上なら部長・本部長まで必要といったように、内容に応じてフローが変化します。柔軟性が高く、企業規模が大きい場合や複雑な承認が求められるケースで活躍します。
これらの承認フロー図を理解・使い分けることで、申請業務の円滑化や社内ルールの明確化につながります。
3. 承認フロー図の作り方
ここでは、図作成ツール「EdrawMax(エドラマックス)」を使って、承認フロー図を作成する手順を初心者にも分かりやすく4つのステップで解説します。
Step1:テンプレートの選択
EdrawMaxを起動し、「フローチャート」や「ビジネスプロセス」カテゴリから適切なテンプレートを選びます。承認フローに適した基本構成の図が多数用意されており、用途に応じてカスタマイズが可能です。
Step2:業務フローの構造を配置
テンプレートに含まれる図形(プロセス、承認、分岐など)をドラッグ&ドロップで配置していきます。申請者から承認者までの流れを順番に並べ、必要に応じて分岐や並列処理も挿入します。
Step3:ラベル入力と図形の装飾
各図形に「申請」「受け入れ」「承認」などのラベルを入力し、処理内容を明確にします。さらに、色分けや線の太さ、矢印の向きなどを調整することで、視認性の高いフロー図が完成します。部門ごとに色を変えると、誰がどの工程を担当するかがひと目で分かります。
Step4:保存と共有
完成した図は、EdrawMax上でそのまま保存できるだけでなく、PDF、PNG、Word、PowerPoint形式へのエクスポートも可能です。これにより、社内資料として共有したり、プレゼン資料に組み込んだりするのも簡単です。
EdrawMaxは、図形の種類やテンプレートの豊富さ、操作のしやすさが魅力で、初心者でもプロ並みの図が短時間で作成できます。承認フローの「見える化」に最適なツールといえるでしょう。
4. 承認フロー図を作成する時のポイント
承認フロー図をより効果的に活用するには、単に工程を並べるだけでなく、見やすさや理解しやすさに配慮することが大切です。ここでは、図を作成する際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
4.1 記号(BPMN)の活用で標準化する
承認フロー図の記号に「BPMN(Business Process Model and Notation)」を取り入れることで、図の意味や処理内容を標準的に表現できます。例えば、開始・終了を示す楕円形、業務処理を示す長方形、判断を示すひし形などがあり、見る人が直感的にフローを理解できるようになります。複数人が作図・閲覧する場面では特に有効です。
4.2 スイムレーンで複数の部門に関わる場合に対応
複数の部署が承認に関与する場合には「スイムレーン(Swimlane)」を使って部門ごとにレーンを分けましょう。これにより、誰がどの作業を担当するのかが一目で分かり、誤解や確認漏れを防げます。視覚的にフローを整理するうえでも非常に有効な手法です。
4.3 色分けや配置で見やすくできる
図形や線の色を使い分けることで、承認者の区別や重要度の違いを明確にできます。また、図形の間隔や矢印の配置も整えることで、読みやすく、見た目にもわかりやすい承認フロー図に仕上がります。プレゼン資料や社内共有文書として使用する場合は特にこの工夫が効果を発揮します。
これらの工夫を取り入れることで、承認フロー図は単なる業務手順の図解ではなく、社内コミュニケーションや業務改善のツールとして大いに役立つようになります。
5. 承認フロー図のテンプレート3選
実務にすぐ使える承認フロー図のサンプルとして、代表的な3つの申請シーンを取り上げ、それぞれの特徴や構成を解説します。これらのテンプレートは、業務内容に応じてカスタマイズしやすく、導入後すぐに活用できます。
5.1 稟議
稟議書の承認フロー図では、一般的に「申請者→上司→部門長→役員」といった多段階の承認ルートが設定されます。申請内容が金額や取引先に関わる重要なものの場合、経理部や法務部の確認も追加されることがあります。複数の承認者が関与するため、並列型や分岐型のフローが適しています。
5.2 発注申請
発注に関する承認フロー図は、購買担当が申請し、部門長や経理部の承認を経て、正式に発注される形式です。金額の大小や取引先の登録状況によって、必要な承認ステップが変わるため、条件分岐型の構成が一般的です。承認漏れを防ぐためにも、明確なフロー設定が重要です。
5.3 休暇申請
比較的シンプルな構造である休暇申請の承認フロー図では、「本人→上司→人事部」といった直線型が多く見られます。ただし、長期休暇や繁忙期など、業務への影響が大きい場合は、部門全体の承認やスケジュール調整も必要となることがあります。柔軟な対応が可能な設計が望まれます。
これらのテンプレートをベースに、自社の申請フローに合わせて図を編集することで、業務効率の向上と手続きの透明化が実現できます。
まとめ
承認フロー図は、業務の流れを明確にし、関係者全体で共通認識を持つための重要なツールです。特に申請や承認プロセスが複雑化しやすい企業や部署では、その「見える化」によって業務効率の向上やミスの削減が期待できます。
本記事では、承認フロー図の基本から種類、EdrawMaxを使った作成方法、作成時のポイント、そして実務で使えるテンプレート例までを丁寧にご紹介しました。初心者の方でも、この記事を参考にすれば、自社の業務に合わせた最適な承認フロー図を簡単に作成・運用できるようになるはずです。
まずは、身近な申請業務から体験無料版があるEdrawMaxを使って、フロー図の導入から社内の業務改善に役立ててみてください。