現代では、アイデアを整理したりプロジェクトを俯瞰したりする場面で、マインドマップツールの価値が高まっています。特に、GitHub 上で開発され、オープンソースとして提供されているマインドマップツールなら、無料で導入でき、しかもカスタマイズ性や自己ホスト性も期待できます。
本記事では、GitHub発のマインドマップツールを7つ紹介し、それぞれの特徴や無料利用範囲、有料ツールと比較しながら、自分にぴったりのツール選びをご案内します。
1.マインドマップツールの選び方
マインドマップツールを選ぶ際には、いくつかの重要な視点があります。
まず注目したいのは「操作のしやすさ」です。ノードの追加や移動、ズームやパンなどの基本操作が直感的でスムーズに行えるかどうかは、思考の流れを妨げずに使い続ける上で大切な要素です。
次に「編集や装飾の自由度」も比較ポイントです。テキストの書式設定やノードごとの色分け、画像やリンクの挿入が可能かどうかによって、表現の幅が大きく変わります。
また「保存・出力形式の柔軟性」も見逃せません。SVGやPNG、XML、Markdown形式などでエクスポートできると、他のツールとの連携や資料化にも役立ちます。
最後に「無料でどこまで使えるか」のチェックも必要です。無料版でも十分な機能を備えているか、自己ホストで全機能が使えるかなど、自分の利用スタイルに合った制限の少ないツールを選びましょう。

2.GitHub発のマインドマップツール7選
ここでは、GitHub上で開発・公開されているオープンソースのマインドマップツールの中から、特に注目すべき7つを厳選して紹介します。それぞれの概要、特徴、体験談、基本情報を踏まえて、自分に合ったツール選びの参考にしてください。
①WiseMapping

(引用元:WiseMapping公式サイト)
製品概要
Webベースで動作するオープンソースのマインドマップツール。SVG描画で滑らかなインターフェースを提供。自己ホストも可能。
特徴
- ブラウザ上で完結、軽量かつ直感的なUI
- ノードの展開・折りたたみ、スタイル編集、リンク挿入が可能
- SVG形式による滑らかな表示
- 自己ホスト可能でカスタマイズ性が高い
体験談
ブラウザからすぐに使える手軽さが魅力。動きが滑らかで、操作性も簡単で直感的にできるので快適。オープンソースとして自由に使える点は非常にありがたい。
基本情報
- 公式サイト:https://www.wisemapping.com/
- 対応OS:Web(自己ホスト可)
- ガイド:https://github.com/wisemapping/wisemapping-open-source
- 無料範囲:すべての基本機能を無料利用可能
②BlinkMind Desktop

(引用元:BlinkMind Desktop公式サイト)
製品概要
マインドマップとアウトライナーの機能を両立したデスクトップアプリ。Electronベースでクロスプラットフォーム対応。
特徴
- アウトライナーとマインドマップの切り替え機能
- ノードのドラッグ&ドロップ、画像・タグ・テーマ機能
- 自己ホストやローカル保存にも対応
体験談
アウトライナーとの切り替えが思った以上に便利で、アイデア整理にも向いている。視覚とテキストでの構造把握を両立できるのが特に印象的。
基本情報
- 公式サイト:https://www.producthunt.com/products/blink-mind-desktop
- 対応OS:Windows / macOS / Linux
- ガイド:https://github.com/awehook/blink-mind-desktop
- 無料範囲:MITライセンスで全機能無料
③Heimer

(引用元:Heimer公式サイト)
Heimerは、Qtベースで開発された軽量のマインドマップ&ダイアグラム作成アプリです。直感的なUIと自動レイアウト、Undo/Redoなど基本機能が充実しています。
特徴
- 自動レイアウト、ズーム、パンなどの快適な操作性
- ノード/エッジのスタイル設定、ラベル追加
- XML形式での保存や読み込みが可能
- クロスプラットフォーム対応
体験談
ノード追加や構造整理が簡単で、操作感が非常に良い。特に自由にレイアウトできるところが便利で、視覚的な整理が簡単にできる。Undo/Redoも無制限に対応していて安心して作業が進められる。
基本情報
- 公式サイト:https://github.com/juzzlin/Heimer
- 対応OS:Windows / Linux / macOS
- ガイド:https://github.com/juzzlin/Heimer#readme
- 無料範囲:GPLライセンスで全機能無料
④Freeplane

(引用元:Freeplaneソフト)
Freeplaneは、Javaベースで動作するオープンソースのマインドマップ/ナレッジ管理ツールです。複雑な情報構造を視覚的に整理できる高機能型で、個人・教育・ビジネスで広く利用されています。
特徴
- ノードに属性、ラベル、スタイル、数式など多様な情報を付加可能
- ノードのフィルター、検索、折りたたみ/展開、ショートカット操作に対応
- スクリプトやアドオンによる機能拡張が可能
- 他フォーマット(PDF, HTML, OPML, PNG等)への出力対応
体験談
多機能ながら動作は安定しており、特にフィルタや条件付き表示機能が便利。複雑なプロジェクトや文書を効率的に整理・可視化できる。見た目はシンプルだが、慣れると細かな管理まで対応可能。
基本情報
- 公式サイト:https://github.com/freeplane/freeplane
- 対応OS:Windows / macOS / Linux(Javaベース)
- ガイド:https://docs.freeplane.org/
- 無料範囲:完全無料(GPLライセンス)
⑤Mindmaps

(引用元:Mindmapsソフト)
Mindmapsは、HTML5ベースで構築された軽量なWebマインドマップアプリです。ブラウザで動作し、ローカルストレージを活用してオフラインでも使用可能です。
特徴
- 完全ブラウザ対応、インストール不要
- ノードの追加・編集・階層化・展開・折りたたみに対応
- SVG/PNG形式での保存が可能
- ローカル保存対応でデータは自分のPC内に完結
体験談
ブラウザで即座に使える手軽さが魅力。オフラインでも使用できる点が強みで、ネット環境に左右されない。ノードの操作もシンプルで、ちょっとした発想メモや会議メモ作成に適している印象。
基本情報
- 公式サイト:https://www.mindmaps.app/
- 対応OS:Web(ブラウザベース)
- ガイド:https://github.com/drichard/mindmaps#readme
- 無料範囲:オープンソース(AGPLライセンス)で全機能無料
⑥my-mind

(引用元:my-mindソフト)
my-mindは、ブラウザ上でシンプルに動作する軽量マインドマップツールです。オープンソースとしてGitHub上で公開されており、自己ホストも可能です。
特徴
- 非常に軽量でシンプルなUI設計
- ノードの追加、リンク、移動、削除など基本機能を網羅
- 保存・読み込み機能付き(JSONベース)
- オンライン版と自己ホスト版の両方に対応
体験談
余計な機能がない分、動作が非常に軽い。すぐにアイデアを可視化したい時に向いており、使い勝手の良さを感じる。自己ホストすれば完全にローカルで使用可能で、セキュリティ的にも安心感がある。
基本情報
- 公式サイト:https://github.com/ondras/my-mind
- 対応OS:Web(ブラウザベース)
- ガイド:https://github.com/ondras/my-mind#readme
- 無料範囲:MITライセンスで全機能無料
⑦Markmap

(引用元:Markmapソフト)
Markmapは、Markdownで記述された内容をリアルタイムにマインドマップとして可視化できるオープンソースツールです。Node.jsベースで動作し、CLIまたはブラウザで利用できます。
特徴
- Markdown構文でマインドマップが作成可能
- ブラウザ表示に対応し、インタラクティブな操作が可能
- GitHubとの親和性が高く、ドキュメントからマインドマップ生成が容易
- カスタムスタイルやノード拡張が可能
体験談
Markdownファイルをそのまま視覚化できるのが非常に便利。エディタで文章を記述しながら、リアルタイムでマインドマップとして構造を確認できるため、ドキュメント整理やプレゼン準備に最適。コード編集感覚で使える点も魅力。
基本情報
- 公式サイト:https://markmap.js.org/
- 対応OS:Web / Node.js(CLIツール)
- ガイド:https://github.com/markmap/markmap#readme
- 無料範囲:MITライセンスで全機能無料
3.無料 VS 有料
多くの商用マインドマップソフトは、無料プランや体験版を用意していますが、実際には機能制限やエクスポート制限が設けられていることが一般的です。たとえば、ノード数の上限、PNG/PDFへの出力不可、クラウド同期の制限などがその一例です。
一方、GitHub発のオープンソースツールは、基本的にすべての機能を無料で利用できるものがほとんどであり、ソースコードの閲覧や自己ホストによる運用も可能です。商用目的でない限り、多くのユーザーが無料のまま利用できます。
有料ソフトには次のような利点があります。
- UIの洗練度が高く、初心者にも扱いやすい
- カスタマーサポートが受けられる
- クラウド同期やチームコラボレーション機能が充実
- 定期的なアップデートとセキュリティ対応
有料マインドマップツールの代表例として「EdrawMind」があります。EdrawMindは直感的なUIと豊富なテンプレート、クラウド同期、ガントチャート、チームコラボレーションなど、業務レベルで使える機能を多数備えています。
無料プランでは機能に一部制限があるものの、マインドマップ作成や基本的な編集機能は十分に利用できます。しかし、出力形式やクラウド連携、チーム共有などを本格的に活用するには有料プランが必要です。
EdrawMindのようなツールは、ビジネス用途や複数人での共同作業、プレゼン資料作成などにおいて大きな力を発揮します。無料ツールとの違いを体験してみたい場合は、まず無料版を試してみて、必要に応じて有料プランへの移行を検討するとよいでしょう。

一方で、オープンソースツールは自分のペースで使える自由度があり、機能的にも日常利用には十分なものが揃っています。設定や導入にやや知識を要するケースもありますが、費用対効果という面では非常に優れています。
目的や使い方に応じて、無料ツールと有料ツールをうまく使い分けるのが賢い選択と言えるでしょう。
まとめ
GitHub発のマインドマップツールは、無料で導入できるだけでなく、高い自由度とカスタマイズ性を備えています。特に自己ホストが可能な点や、機能制限がない点は大きな魅力です。
一方で、UIの洗練度やチームでのコラボレーション機能などでは、有料ツールに軍配が上がることもあります。どちらが自分の用途に合っているかを見極め、まずは無料のオープンソースツールから試してみるのがおすすめです。
